高校生の時、課題図書か何かで、指揮者の小澤征爾さんの著「ボクの音楽武者修行」というのを読みました。この本は小澤さんが20代後半の時に書いたもので、中国や日本での少年時代、音楽を始めた思い出、単身ヨーロッパへ渡り指揮コンクールで受賞した事、その後アメリカでの経験などが綴られています。夢を追って日本を飛び出し、そして世界を舞台に着実に階段を駆け上がっている感覚が生き生きと感じられて、高校生の私は、これから自分が歩むだろう道にも重なるような気持ちで楽しく読んだのを覚えています。そのときは、音楽ではなく映画の道に思いを馳せていましたが・・・。
最近久しぶりに読み返してみて、高校生の時とは違った感想を一つ持ちました。それは、『若かりし小澤さんのような方が持つ「生き生き」とした感じ、というのは音楽の分野では基本的に演奏家にのみ発生するようで、作曲家というのは、その点全くつまらない』というものです(笑)。作曲家の活動というのは、「自分が光る」のではく「光る作品を作る」のが仕事なわけですから、演奏家と比べるのは的外れといえますが、外に向かって湧き出る輝きは、少しうらやましくあります。
さて、小澤さんは「僕の音楽武者修行」を書かれてから、もうすぐ50年がたとうとしています。現在病気で活動を休止されていますが、また元気に音楽を紡がれるのを楽しみにしています。
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